【ソース】
国立大学附属病院長会議:国立大学附属病院における診療情報の提供等に関する指針(第2版):7項(3)の1:2006年3月31日
===以下引用===
診療記録の開示を求めようとする者は、書面(申請書)により病院長に申請するものとする。なお、患者等の自由な申立てを阻害しないため、申立ての理由の記載を要求することは不適切である。
===以上引用===
厚生労働省:診療情報の提供等に関する指針(平成22年10月22日改訂版)
※平成15年9月12日付医政発第0912001号の一部改正を平成22年9月17日医政発0917第15号によって各都道府県に通知。
===以下引用===
診療記録の開示を求めようとする者は、医療機関の管理者が定めた方式に従って、医療機関の管理者に対して申し立てる。なお、申立の方式は書面による申立てとすることが望ましいが、患者等の自由な申立てを阻害しないため、開示等の求めに係る申立て書面に理由欄を設けることなどにより申立ての理由の記載を要求すること、申立ての理由を尋ねることは不適切である。
===以上引用===
【コメント】
患者さんやご家族から、「カルテ開示を申請する際に、理由の記載を求められたがどうしたらよいか?」という相談をいただくことがあります。
従前より、「診療情報提供等に関する指針」等においては、申立の理由の記載を要求することは、自由な申立を阻害するおそれがあるから不適切とされていました。
しかしながら、実際には、理由の確認を求められるケースが後を絶たないため、平成22年9月に、厚生労働省は同指針を一部改正し、申立書面に理由欄を設けることは不適切であることを明文化しました。
それから1年半が経過しますが、残念ながら、今なお、国立大学附属病院などにおいても、依然として理由欄が撤廃されないままとなっているケースが散見されます。
当欄をご覧になった医療従事者の方には、自院でどのような書式を用いているのか、今一度見直してみることをお勧めします。
2012/02/27
2012/01/31
【裁判例】診療契約上の顛末報告義務として、予期しない重篤な後遺症を残した患者に対して診療録等を示しながら説明を行う義務があるとした事例
【要約】
大阪地裁平成16年(ワ)第8288号損害賠償請求事件
大阪地裁平成20年2月21日第23民事部判決
(3)以上によれば,被告には,本件入院カルテ〔1〕ないし〔6〕及び本件手術関連記録〔1〕を原告に開示できなかった限度で,診療契約上のてん末報告義務違反として債務不履行責任を負うこととなる。
大阪地裁平成16年(ワ)第8288号損害賠償請求事件
大阪地裁平成20年2月21日第23民事部判決
- 診療契約上のてん末報告義務として、診療録に基づいた報告を必要とした事例。
- 診療録の紛失によって、予期せぬ重篤な後遺症を被った患者に対し入院診療録ないし手術関連記録を開示できなかったことが、診療契約上のてん末報告義務違反として債務不履行に該当すると認定。
- 裁判所は慰謝料30万円の支払を命令。
- 一審で確定。
【ソース】
判例タイムズ1318,173-187,2010.5.1
【判決文より】
・・・以上によれば,転移癌の摘出及びその後の癌の再発防止のための放射線治療により一定の後遺症が残ることは,被告に治療上の過失がなかったとしても生じうる
ことであると考えられるものの,原告にとっては予期しない身体障害1級という重篤な後遺症を有するに至っているのであるから,原告が,診療の経過につい
て,診療録等に基づいて具体的な詳細を知りたいと考えることには十分な理由がある。
また,診療録を示しててん末の報告を行うことに支障があったとはいえな
い。
そうすると,被告は,原告に対し,診療録等に基づいててん末報告を行うべき義務を負っていたものと解すべきである。・・・
・・・被告において,本件入院カルテ〔1〕ないし〔6〕及び本件手術関連記録〔1〕を隠匿して原告に開示しないのではなく,被告主張のとおり,被告において本件入院カルテ〔1〕ないし〔6〕及び本件手術関連記録〔1〕を紛失したために原告に開示できなかったとしても,被告は,本件入院カルテ〔1〕ないし〔6〕及び本件手術関連記録〔1〕を原告に開示できなかったのであるから,診療契約上のてん末報告義務違反として債務不履行責任を免れない。・・・
2012/01/20
【備忘】患者さんにわかりやすく説明する必要があることを指摘する条文など
■医療法第1条の4第2項
医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに
当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければなら
ない。
■医師法第23条
医師は、診療をしたときは、本人又はその保護者に対し、療養の方法その他保
健の向上に必要な事項の指導をしなければならない。
■保健医療機関及び保険医療養担当規則(昭和三十二年四月三十日厚生省令第十五号)
(療養及び指導の基本準則)
第十三条 保険医は、診療に当つては、懇切丁寧を旨とし、療養上必要な事項は理解し易いように指導しなければならない。
■患者の権利に関する世界医師会リスボン宣言
7.情報に対する権利
c. 情報は、その患者の文化に適した方法で、かつ患者が理解できる方法で
与えられなければならない。
■日本医師会「医師の職業倫理指針」2008年
p3
「医師が患者を診察したときは患者本人に対して病名を含めた診断内容を告げ、
今後の推移、および検査・治療の内容や方法などについて、患者が理解できるよ
うにやさしく説明する義務がある。」
■インフォームド・コンセントの在り方に関する検討会報告書
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