2012/03/27

【医薬品副作用】医薬品医療機器総合機構が患者からの医薬品副作用報告のオンライン受付を開始

【ソース】
医薬品医療機器総合機構(PMDA):患者副作用報告
厚生労働省: (独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)による患者からの医薬品副作用報告の試行開始について(お知らせ)


【要点】

2012/03/26

【書類送検】塩化カリウム製剤を希釈せずに点滴した准看護師を書類送検。

【ソース】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120315k0000m040050000c.html

【要点】
  • 2010年1月23日、今市病院(日光市)に入院中の88歳女性の低カリウム血症に対し、准看護師が塩化カリウムを希釈すべきところ原液を点滴。
  • 同年1月27日に患者は心不全で死亡。
  • 病院は直後にミスを説明し、補償を終えている。
  • 栃木県警今市署は、准看護師を業務上過失致死容疑で宇都宮地検に書類送検。
【参考情報】

医薬品医療機器総合機構:医療安全情報19:カリウム(K)製剤の誤投与について


【終末期医療】島根大学病院が「事前要望書」のリーフレットを報道発表

【ソース】
http://www.med.shimane-u.ac.jp/hospital/houdou/houdou120312.html

【要点】
  • 島根大学医学部附属病院は、平成20年に、「医の倫理委員会」に諮り、「事前要望書」の仕組みを作成した。
  • 同病院は、そのリーフレットを作成し、2012年3月12日に報道発表した。
  • リーフレットによると「事前要望書」とは、「現在の医学では回復の見込みがなく、治療について自分の意思表示ができないような状態になったとき、自分にしてほしくない治療を文書で伝えておくものです。」と説明されている。

【提訴報道】筋ジストロフィーの痰による窒息とパルスオキシメーターによる監視のあり方について

【ソース】
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=55781

【要点】
  • 2011年8月16日、国立病院機構山形病院に短期入所中の筋ジストロフィーの男児(9歳)が痰を詰まらせて窒息、心肺停止を経て意識障害残存。
  • 自宅用の簡易型パルスオキシメーターを装着していたため、ナースステーションで監視ができなかった。
  • 2011年2月22日、両親らが約3200万円の賠償を求めて山形地裁に提訴。病院用の機器を使用する義務ありと主張。
  • 病院側は医療過誤性を否定するコメント。

2012/03/23

【行政処分制度】「行政処分の考え方」初改正。不正請求厳罰化。

【ソース】
厚生労働省:「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」の改正について

【要点】
  • 2012年3月4日開催の医道審議会医道分科会において、「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」が改正された。
  •  診療報酬の不正請求により保険医等の取消処分を受けた事案については、当該不正請求を行ったという事実に着目し、原則として、不正額の多寡に関わらず、一定の処分内容とするとされた。
  • 保険医登録の取消処分においては、不正請求額の多寡にかかわらず、取消期間が一定となっていること等を踏まえて改正された。
  • そのほかは従前どおり。
  • 2002年12月に「考え方」が示されて以来の初の改正。

2012/03/05

【行政処分報道】刑事事件有罪判決のない2件の医療過誤を理由として、国が同一医師に対する戒告処分を決定。

【ソース】
http://www.asahi.com/national/update/0305/TKY201203050082.html

【要点】
  • 2012年3月5日、三重県四日市市の産婦人科医(71歳)に対し、戒告処分が決定。3月19日発効。
  •  2011年9月に、同医師に対しては、出産後の女性が死亡した件(業務上過失致死罪で罰金刑が確定)について戒告処分が下されていた。
  • 今回は、同医師が起こした脳性麻痺事故と死産事故の2件(いずれも刑事事件における有罪判決はない)についてあらたに戒告処分。再教育措置も再度行われる。
  • 刑事事件以外の医療事故を理由とする行政処分は本件までに3件のみ。
【関連情報】
===以下引用===
2  医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
一  戒告
二  三年以内の医業の停止
三  免許の取消し
===以上引用===
===以下引用===
 第四条  次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一  心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二  麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三  罰金以上の刑に処せられた者
四  前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者
===以上引用===
===以下引用===
医師法第7条第2項及び歯科医師法第7条第2項に規定する行政処分については、医師、歯科医師が相対的欠格事由に該当する場合又は医師、歯科医師としての 品位を損するような行為があった場合に、医道の観点からその適性等を問い、厚生労働大臣はその免許を取り消し、又は期間を定めて業務の停止を命ずるもので ある。
【中略】
国民の医療に対する信頼確保に資するため、刑事事件とならなかった医療過誤についても、医療を提供する体制や行為時点における医療の水準などに照らして、 明白な注意義務違反が認められる場合などについては、処分の対象として取り扱うものとし、具体的な運用方法やその改善方策について、今後早急に検討を加え ることとする。  
【中略】
6)    業務上過失致死(致傷)
(2)    医療過誤(業務上過失致死、業務上過失傷害等)
 人の生命及び健康を管理すべき業務に従事する医師、歯科医師は、その業務の性質に照し、危険防止の為に医師、歯科医師として要求される最善の注意義務を尽くすべきものであり、その義務を怠った時は医療過誤となる。
 司法処分においては、当然、医師としての過失の度合い及び結果の大小を中心として処分が判断されることとなる。
 行政処分の程度は、基本的には司法処分の量刑などを参考に決定するが、明らかな過失による医療過誤や繰り返し行われた過失など、医師、歯科医師として通常求められる注意義務が欠けているという事案については、重めの処分とする。
 なお、病院の管理体制、医療体制、他の医療従事者における注意義務の程度や生涯学習に努めていたかなどの事項も考慮して、処分の程度を判断する。
===以上引用===
※下線は引用者による。

【コメント】

行政処分制度は、「医道の観点」から医師等の適性等を問う制度であり、制度上は、「医師としての品位を損するような行為のあったとき」も処分の対象とされています。このように刑事処分と行政処分は、目的の異なる制度です。

しかしながら、現実には、医療過誤に関する医師の行政処分は、基本的に刑事処分の後追いという形で運用されており、行政処分としての独自性はほぼ失われています。
今回の産婦人科医への処分は、刑事事件とは別個に国が事実認定を行って下したものという点で、刑事処分の後追いに留まらないものと言えます。

もっとも、現状の医道審議会は、多くの事案の事実認定を行い得るような体制にはありません。また、医療事故の網羅的な届出・報告制度も確立していません。報告義務が課せられているのは、特定機能病院等の一部医療機関のみであり、しかも義務を負う病院間での届出実施状況には大きな差異があります。

※参考

したがって、今後も刑事処分の後追いとして行政処分制度が運営されていくという流れが変わるとは思えません。同様の事故を起こしたにも関わらず、処分がされるケースもあれば、処分されないケースもあるという、不平等・不透明な状況は、今後も続くことが予想されます。

こうした不透明な状況を健全なものとするためには、まず、医療事故事案をきちんと把握し、どのような事故に対し、どのような処分や再教育が必要なのかを丁寧に検討していく必要があります。
そのためにも、日本医学会加盟主要19学会共同声明の提案するような、医療事故の届出制度が早期に創設される必要がありますが、残念ながら今なお実現の目途は立っていません。

大変に残念です。 

2012/03/03

【示談報道】心臓カテーテル検査による仮性動脈瘤形成→神経圧迫

【ソース】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120228-00000035-kana-l14

【要点】
  • 2010年8月、藤沢市民病院で慢性腎不全の64歳女性が心臓カテーテル検査を受けた。
  • 右上腕のカテ挿入部を圧迫止血。
  • 検査後不調を訴えるも4度の診察で動脈瘤を発見できず、救急搬送後の超音波検査で6cm×3cmの動脈瘤が神経を圧迫し右手指に障害が発生したことが判明した。
  • 藤沢市は、女性に270万円を賠償する。2011年2月27日公表。

【類似事例など】

名古屋地方裁判所平成12年5月26日判決(平成3年(ワ)295)
  • 鼠径部から刺入した事例。止血不充分、出血・血腫形成を経て大腿神経麻痺。
  •  病院に対し、約1100万円の賠償を命令。判決確定。
  • 判例タイムズ1092号254頁。